湘南GUILTY's COCKTAIL

ワルモノバイク ”GUILTY” のカスタムやツーリング、グルメ記事などのオヤGブログです。

想い出のスコッチ

COCKTAILコーナーの1発目は、GIN RICKEYにしようと決めていたのですが、ちょっとしたエピソードがあり、
予定変更しての記事UPです。

ウチでは、ここ数年、酒好きの人力に合わせて、バレンタインには「お印のチョコ」と、
カミさんがボトルを1本選んで買ってきてくれるのです。

今年はこれ、Glenfiddich(グレンフィデック)でした。
深い緑色で、断面が三角の特徴的なボトルのスコッチです。12年ものですた。



で、
JOKER2007の記事コメでもカミングアウトしたのですが、人力は学生時代、メッキ工場でバイトしたことがあります。


メッキする部品を、針金をコの字に曲げた金具と輪ゴムで、金枠に数珠つなぎに留めていく単純作業で、
2週間ほどの短期バイトだったのですが、そのラインのおっちゃんとおばちゃんがすごくイイ人たちで・・・


当時ホントに金が無く、週払いの給料日まで、残った米で作った塩オニギリ(もちろん具なし)1食に1個を
ラップに包んで昼飯に持参しつつのバイトでした。


仕事中の雑談で、「お金のうて風呂屋にも行けませ~ん!」と話していたら、
福○さんというラインのおっちゃんが、その日の帰りがけに「これで・・・風呂入りや!」と、
小さく小さく32折り(四つ折り的な言い方すると)にした千円札をこっそり差し出してくれました。


最終日、そのおっちゃんが、「これ、呑みさしやけど持って帰りなあ!」と言って、手渡してくれたのが、
見たことの無い緑の三角形のビンの、飲みかけのウイスキーボトルでした。
「もらいもんで、チビチビ呑んどったんやけどな・・・。」と苦笑いしながら・・・。

よく見ると底の方にわずか10cmほど残っているボトルでした。
人力のバイト最終日に、わざわざ家から持ってきてくれていたのですね。

でも、当時は酒税改正前で、ウイスキーのむちゃくちゃ高かった時代、オールドが3千円以上していた頃です。


ジョニ赤以外の本場のスコッチは8千円以上していた時代、その町工場勤めの収入では、失礼ながら
とても買えないようなシロモノだった筈。
時給は安かったし、工員の皆さん、昼食は280円の仕出し弁当食べてたし・・・。

今思うと、当時はそのおっちゃんにとっても、めったにありつけないサケの筈なのです。


そしてその夜、これ、ほんまもんの、本場のスコッチかなあ、きっと・・・、とか思いつつ、ありがたく
同じアパートの友達と少しづつ、分け合って呑んだサケなのです。


・・・数年後、それがグレンフィデックというサケで、本場のスコッチだったことを知ったのでした。

 (-人-)ありがたや・・・。


その後就職してから、20代の頃に1回だけこのグレンフィデックをボトルで買ったことがありましたが、
それきりご無沙汰でした。
(カクテルとバーボンに走ってしまったので。)


そのグレンフィデックと、カミさんの選んだ偶然により、今年のバレンタインに再開したのでした・・・。